CUBIST:
立方体の構成の可能性
立方体で構成された建築。
外に向かって閉ざされた空間は、南東の空に向かってバルコニーを通過し一気に解放される。
ある規格住宅を経験して、その中の最大の欠点というものに挑戦したもの。それによって、新しい建築空間を作り上げることができたという一例。
玄関に比較的広いホールを設け、ホールからリビングルームへ行くまでの時間経過を見つけ出しことが、ひとつのポイント。施主さんの花粉症対策のために、服を脱いで花粉を家の中に持ちこまないようにしたこと。
リビングルームに入ると、長方形のちょっと狭い空間のように思えたので、思い切って窓を大きく開け、そこに彼の趣味の世界、本やCD、DVDを置くスペースをつくった。シェルフを木だけではなく鉄という素材を使ってモダンな雰囲気に。
1階の大きな開口部以外、壁に閉ざされた空間は、階段を上った2階の吹き抜けを通り、南東のバルコニーから、エネルギーが解放される…と同時に、太陽の光がベットルームや他の部屋にも流れ込む仕組みにもなっている。そのエネルギーは、まるでサメが大きな口を開けたような力強さがあって、生命力を家に与えるとともに家に近寄る邪気どもを跳ね返し施主を護る、という意識を持たせている。そこに全てが完結するように。